夏休みの新幹線、静かに過ごしたい方へ。追加料金不要の「TRAIN DESK」が良い選択肢かも

いよいよ夏休みシーズンが到来。旅行や帰省で新幹線は多くの家族連れで賑わい、車内は普段とは違う活気に満ち溢れます。お子さん連れや楽しむ観光客の歓談は微笑ましいものですが、一方で出張中などのビジネスパーソンで「静かな環境で移動したい」「集中して仕事したい」と願う人にとっては、少し悩ましい時期かもしれません。

そんな悩める方たちに朗報です。北陸新幹線には、追加料金不要で静かな空間が手に入る「TRAIN DESK」という車両があることをご存知でしょうか。夏休みの喧騒から離れ、快適な移動時間を過ごしたい方へ、その魅力をご紹介します。

追加料金なしで「静か」を確保できる「TRAIN DESK」

「TRAIN DESK」は、JR東日本が東北・北海道・上越・北陸新幹線の一部列車に設定している、仕事や勉強をする乗客を優先した普通車指定席です。

最大の魅力は、なんといっても追加料金が不要なこと。 通常の普通車指定席と同じ料金で、静かな環境が約束された車両を利用できるのです。

この車両では、利用者同士が快適に過ごせるよう、座席でのWeb会議や通話も(イヤホン使用の上で)認められている一方、大きな声での会話や座席を回転させてのグループ利用は控えるようアナウンスされています。つまり、「仕事や勉強、読書に集中したい」という共通の目的を持った乗客が集まるため、自然と静かな空間が保たれやすいのです。

実際に利用した人からは、「周りを気にせずPC作業に集中できた」「驚くほど静かで快適だった」といった声が多数上がっています。夏休みの混雑する時期でも、この車両だけは落ち着いた雰囲気に包まれているという口コミも見られます。

「TRAIN DESK」は北陸新幹線(かがやき・はくたか)9号車

予約は「えきねっと」や駅の指定席券売機、みどりの窓口で、通常の指定席と同様に購入できます。予約の際に「TRAIN DESK」を選択することを忘れないようにしましょう。

「S Work車両」との違いは?

ビジネスパーソン向けの車両としてよく知られているのが、東海道・山陽新幹線の「S Work車両」です。こちらも車内で仕事がしやすい環境が整えられていますが、北陸新幹線の「TRAIN DESK」とは少し特徴が異なります。

具体的には以下のような違いがあります(表が見られない場合、本ページを参照してください)。

北陸新幹線「TRAIN DESK」東海道新幹線「S Work車両」
追加料金不要不要(S WorkPシートは有料)
設備・通常の普通席
・無料Wi-Fi(他車両共用)
・通常の普通席
S WorkPシート(有料・隣席との間にパーテーションあり)
・ビジネスブース(一部編成・有料)
・専用Wi-Fi
特徴仕事・勉強をする乗客優先の車両仕事をする乗客向けの車両
予約えきねっと、e5489、窓口・券売機EXサービス、駅の窓口・券売機

東海道新幹線の「S Work車両」には、追加料金(1,200円または2,000円)を支払うことで、隣席との間にパーテーションが設置された「S WorkPシート」が利用できるという大きなメリットがあります。よりプライベートな空間を確保したい場合には非常に魅力的です。

北陸新幹線が故のデメリットも…

また、TRAIN DESKにデメリットもないわけではありません。特に気になったのはインターネット環境です。北陸新幹線は地理的にトンネルを通る区間が多く、モバイルネットワークが快適でない場合が多いです。加えて、フリーWi-FiはS Work車両とは異なり他車両との共用なので、スピードテストを行ったところ2Mbpsを切る状況もちらほら。

社内ではウェブミーティングも小声なら問題ないとされていますが、モバイル回線含め通信状況があまり良くないため、快適さは他路線に比べて劣るかもしれません。

しかし、「追加料金をかけずに、ただ静かな環境が欲しい」というニーズには、北陸新幹線の「TRAIN DESK」が最適な選択肢と言えるでしょう。今夏の混雑予測でも、お盆期間を中心に新幹線の利用者は大幅に増加する見込みです。ぜひとも活用してみてはいかがでしょうか。