【レポート】フェムケアを「日常」に──iroha(イロハ)が描く女性のためのセルフケア

10月20日から22日まで、インテックス大阪にて開催中の「ビューティーワールド ジャパン 大阪」に、女性向けフェムケアブランド「iroha(イロハ)」が出展。初日には株式会社TENGA社長の松本光一氏、医療法人 心鹿会 理事長の二宮典子先生によるトークセミナーが開催されました。フェムケアの変遷から需要まで、充実したセミナーの内容をレポートでお伝えします。

TENGAが築いた20年「食と性が根源的で尊重すべきもの」

まず株式会社TENGA社長の松本光一氏による講演では、同社のフェムケアブランド「iroha(イロハ)」の理念と歴史が語られました。TENGAは創業20周年、irohaは12年目を迎え、女性のライフステージに寄り添うフェムケアブランドとして活動を続けています。

松本氏は、自動車整備士として働いていた若き日の経験から「人にとって、食と性というものが根源的で尊重すべき、とても大切な欲求であることに気がつきました」と話し、当時の気づきをもとにTENGAブランドの理念を築いたと振り返りました。

その後2005年にTENGAブランドを発表し、初年度で100万個を売り上げるなど瞬く間に成長。松本氏は「今では、2万7000件のお店で販売してもらえるようになりました。原宿には昨年TENGA LANDというお店ができて、男性も女性も、年齢も国も関係なく、多様な人が来てニコニコしてくれるんです。これを見たときに、20年かかったけどいろいろなものが変わったなと実感できました」と語りました。

「性を表通りに」──“女性がつくる女性のためのケア”

20年前、性関連商品は「アンダーグラウンド」な領域にあり、企業責任や信頼性に欠いていたといいます。

TENGAが掲げたビジョンは「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」こと。松本氏はビジョンについて「我々が目指したのは、人の根源的欲求にちゃんと敬意を持って、人の性を豊かにして、人を幸せにするということです。新しいカテゴリーを作り、そしてそれを世界中に広げるということを目指して始めました」と振り返りました。

そんな理念の延長線上で誕生したのが「iroha(イロハ)」です。当時の市場にあった“男性目線の女性向け商品”に疑問を抱き「女性が主役で、女性が企画・開発・販売するブランド」を立ち上げました。

女性だけのチームが「爪が長くても使いやすく、機械的でない自然な形状」を追求し、2013年にプレジャーアイテムブランド「iroha」を発表。柔らかくふわふわした独自素材と上品なデザインで、女性が安心して使える新しい市場を切り開きました。

開発当初について「この形も、色も、肌触りも、操作する感じも、とても僕では思いつかないものです。女性のチームだからこそ思いついたし、女性だけのチームで進めてきて、本当に良かったと思いました」と松本氏。

irohaブランドはその後、「iroha INTIMATE CARE」「iroha Healthcare」といった日常ケア・医療連携ラインへ拡大し、「iroha INTIMATE WASH」は4年で販売数10倍、100万本を超える人気商品に成長しました。

松本氏は「これからも、irohaはとことん女性思いのブランドであり続けます」と締めくくりました。

フェムケアは“自分の体を知ること”から

トークセミナー第二部では、医療法人 心鹿会 理事長の二宮典子医師が登壇。二宮先生は、大阪・心斎橋で性機能外来を専門とするレディースクリニックを運営しています。

二宮先生はフェムケアの重要性について「多くの女性がデリケートゾーン・フェムゾーンの悩みを抱えていますが、あまり大体的に言えず、病院にも行けなかったりするのが現状です。その前にフェムケアを通じて、皆さんが自分のことを分かるようになれば、トラブルの早期発見にもつながると思います」と語り、まずは自分の体を観察し、触れて知る「セルフタッチング」を推奨しました。

またiroha製品の使い方については「私は性機能を専門に診察しているので、そういうときにirohaさんの製品はとても使いやすいですね」と回答。「冷たくなく、肌あたりが優しく、はじめての人でも抵抗が少ない」と紹介し、初期ケアや性機能改善、快眠・血行促進など、セルフタッチングの科学的な利点も挙げました。

会場では新商品も展示…サロンでの導入事例とは

最後には、iroha営業担当の松本愛子氏が、サロンでの導入事例や市場の反響について紹介。現在、フェムケアサロンや脱毛サロンなど多様な施設で「iroha INTIMATE CARE」や「プレジャーアイテム」の採用が進んでおり、今回のビューティーワールド大阪を機に「iroha Healthcare」も取り扱いを開始しました。

大阪の百貨店で実施されたポップアップイベントでは、2週間で1,000名以上が来場。朝から行列ができるほどの盛況ぶりで、女性の高い関心がうかがえたといいます。

また、お客様へのiroha製品の勧め方については「女性のお悩みに沿ってご提案いただくと、1番いいと思います」と松本氏。実際にiroha製品を導入したサロンからは「お客様との距離が近くなった」「リピート率が上がった」との声が寄せられているそうです。

会場では、8月に発売した「iroha FITプラス」など新商品も展示され、松本氏は「質感や柔らかさをぜひ手で体感してほしいです」と来場者に呼びかけました。