働く男女に聞いたフォント事情!「誠実さが伝わらない」謝罪で適切だと思うフォント1位は「明朝体」

モリサワは、日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)モチーフのデザインも選べるオリジナルスタンプ作成サイト「フォント de スタンプ」を公開しています。フォントの活用経験やフォントへの意識を探るべく、フォントに日常的に触れる機会が多いと考えられる20~50代の働く男女500名を対象に、「フォントに関する意識調査」を実施しました。

本調査では、フォントにこだわりを持っている人がいることや、シチュエーションに応じてフォントを使い分けている人がどのくらいいるのかが明らかとなりました。また、好きなフォントや、フォントに対して違和感を覚えた経験、謝罪やプレゼン、祭事・催し事関連などさまざまなシチュエーションに応じてどのフォントが適切だと思うか調査しました。さらに、具体的なフォント名や、専門的な知識について問う質問では、その知識や認知度の低さが浮き彫りとなりました。一部の質問では、男女や年代による傾向も探りました。

●調査トピックス
1.フォントにこだわりがある人は4割以上!
約半数の人が、フォントはデフォルトのものから好みのものに変更。理由「好みのフォントの方が見やすい」
2.半数近くがシチュエーションに応じてフォントを使い分ける。若年層の方が使い分ける傾向あり。使い分けるシーン10選「自分との距離感や役職の上下関係にて、フォントを敬語のように使い分ける」
3.謝罪の際は「明朝体」が適切だと感じる人が6割以上!明朝体・ゴシック体は、さまざまな用途に適応。約3人に1人が、文章とフォントが合っていないなど違和感を覚えた経験あり。「誠実さが伝わらない」「相手のことを信用出来るのか不安になった」。
4.好きなフォントランキング1位「明朝体」2位「ゴシック体」3位「手書き書体」男女・年代別も!
5.フォントに関する知識調査。“P”がついているフォントの意味は?認知度は1割未満。フォント名クイズも!正解者の多かった「勘亭流」でも正答率は3.6%に留まる

まず、フォントにこだわりや気に入っているフォントがあるか聞いたところ、「ある(16.0%)」、「(どちらかといえばある(26.6%)」と回答した人を合わせて4割以上の人がフォントにこだわりを持っていることがわかりました。

フォントは生活や仕事をする上で高頻度で目に触れますが、メールやSNS、仕事で使うツールなどにおいて、デフォルトのフォントから自分好みのフォントに変えている人はどれくらいいるのか調査したところ、「基本変えている(18.0%)」は約2割、「ものによるが変えている(29.2%)」は約3割で、半数近くの人が自分好みのフォントにカスタマイズしていることがわかりました。フォントにこだわりを持っている人とほぼ同数で、フォントへの意識と行動が直結していると考えられます。男女別で比較すると、自分好みのフォントに「基本変えている」「ものによるが変えている」と回答した男性は51.2%、女性は43.2%と、男性の方が若干ではありますがカスタマイズに積極的でした。

フォントを自分好みのものに変えている人にその理由を聞いたところ、「自分好みのフォントの方が見やすいから(66.5%)」、「好みのフォントがあるから(33.9%)」、「変えたフォントの方が適していると思うから(26.3%)」が上位に。フォントの選択は見やすさといった実用性を最も重視しつつ、好みに応じた選択も行われていることがうかがえます。

各ツールにおいてデフォルトのフォントから変えている人がいることがわかりましたが、プレゼン資料、謝罪文、催し事のお知らせなど、さまざまなシチュエーションに応じてフォントを使い分けているのかも調査しました。結果、「使い分けている(20.2%)」、「どちらかといえば使い分けている(24.8%)」を合わせて45.0%と、半数近くの人が状況に応じてフォントを使い分けている実態が明らかに。男女別では大きな差はありませんでしたが、年代別でみると、フォントを使い分けている人は20代で47.2%、30代で51.2%、40代で38.4%、50代で43.2%でした。比較的若年層の方が、フォントを使い分けている人が多い傾向にありました。

シチュエーションに応じてフォントを使い分けていると回答した人に、どのようなシーンで使い分けるか具体的なエピソードを募りました。特にビジネスシーンにおいて、資料を出す相手や関係性によってフォントを使い分けている人が目立ちました。

【フォントを使い分けるシーン10選】
・自分との距離感や役職の上下関係にて、フォントを敬語のように使い分けている(東京都・40歳男性)
・読み手の年代によって分けている。老眼だと丸ゴシックや明朝が見やすい印象。若年だと特に気にする必要がない(東京都・48歳女性)
・外部用や堅めの資料は明朝体、内部用や柔らかめの資料はゴシック体(静岡県・52歳男性)
・社員旅行など楽しめな企画のときはポップな字体を選択している(神奈川県・33歳男性)
・社外向け文書等はきちんとビジネスの雰囲気のあるものを使用するが、社内向け文書等、カジュアルなものはポップなフォントを使用することもある(兵庫県・39歳女性)
・個人的に使うテキストメモは、テンションの上がるかわいいフォントを使うようにしている(千葉県・32歳女性)
・資料などは見やすくゴシック体、チラシなどは楽しい雰囲気のポップ体を、体外的なお知らせなどは明朝体(大阪府・48歳女性)
・高級感を出したいチラシ作成では教科書体、メールでは誰にでも好かれるベーシックな字体など使い分けている(東京都・50歳女性)
・謝罪文の作成の際は明朝体を、イベント資料の作成時はポップで大きなフォントを使用している(和歌山県・27歳女性)
・デザインの仕事をしているので、内容に合ったものに適宜変えている。読みやすさ重視ならUDフォント、見出しはゴシック、本文は明朝で抑揚をつけるなど(大阪府・29歳女性)

主にビジネスシーンにおいてフォントを使い分けている人がいることがわかりましたが、実際にどのフォントを使うのが適切だと思うかシチュエーション別で回答してもらいました。「謝罪文書」「ビジネスメール」「プレゼン資料・企画書・報告書」「社内報」「財務資料」では「明朝体」に最も多く票が集まりました。ビジネスシーンにおいては、かしこまった印象のある明朝体が好まれるようです。次いで、「ゴシック体」にも多くの票が集まりました。ビジネスシーン以外でも「LINEなどSNS」「TVのテロップ」においてもカテゴリ別では「明朝体」に多くの票が集まりましたが、「ゴシック体」「丸ゴシック体」を合わせると「明朝体」を上回る結果になりました。

一方で、「看板・チラシ・推し活のうちわ等祭事・催し事関連」においては「デザイン書体(33.0%)」、「丸ゴシック体(30.6%)」、「YouTubeなど動画コンテンツ」においては「手書き書体(38.8%)」、「装飾書体(35.8%)」など、比較的ポップな印象のあるフォントが適切だと感じる人が多い傾向にあることがわかりました。どのシチュエーションにおいても「明朝体」や「ゴシック体」に多くの票が集まり、この2つのフォントは、様々な用途で違和感なく使用できる印象を持たれていることが明らかとなりました。

さまざまなシチュエーションに対して適切だと感じるフォントの傾向がわかりましたが、文章とフォントが合っていないなど、フォントに対して違和感を覚えたことはあるか調査をしました。「あてはまるものはない(67.2%)」と回答した人を除く、約3人に1人は違和感を覚えたことがあるようです。違和感を覚えたことがあるシチュエーション1位は「ビジネスメール(36.0%)」、次いで「謝罪文書(32.3%)」、「プレゼン資料・企画書・報告書(24.4%)」という結果に。

仕事上で、違和感を覚えたことがある人が多いことがわかりました。どんな違和感を覚えたのか具体的に聞くと、フォントと文書内容のミスマッチが主な原因であるという声が多く寄せられました。フォントが無意識のうちに信頼性や書き手の誠意を判断する要素になっていることがうかがえます。フォントによって印象が変わり、伝えたい内容がうまく伝わらないこともあるため、適切なフォントを選択することが特に仕事上においては重要だと考えられます。

【フォントと文書に違和感を覚えたエピソード】
1位:ビジネスメール
・ビジネスらしくなく、かわいらしさがあって違和感を覚えた(東京都・36歳男性)
・ビジネスのメールにも関わらず遊びに使用するようなフォントで誠実さが伝わらない(神奈川県・44歳女性)
・字体から、相手のことを信用出来るのか不安になった(東京都・52歳女性)
2位:謝罪文書
・謝罪文なのにフォントが丸っぽく、ややふざけたような感じを受ける(奈良県・48歳女性)
・謝罪文でポップな文字が使われており誠意が伝わらなかった(青森県・38歳男性)
・変わったフォントが使われていると、内容より見た目にこだわった印象を与えると思う(愛知県・54歳女性)
3位:プレゼン資料・企画書・報告書
・雰囲気があわないと説得力にかける(愛知県・44歳女性)
・ハネなどが強調されていて、内容よりもフォントが気になってしまった(千葉県・32歳女性)

フォントへの意識や行動、フォントが与える印象について調査してきました。続いて、好きなフォントの分類について調査しました。最も好きなフォントとして選ばれたのは「明朝体(35.2%)」でした。2位は「ゴシック体(18.8%)」、3位は「手書き書体(14.4%)」でした。「明朝体」が好きな理由としては「最も見慣れているから」「一番見やすく無難」「上品で誠実なイメージがあるから」といった声が寄せられました。「ゴシック体」は「シンプルでどこでも使える」「見やすく誰でも読みやすい」「かたすぎず、砕けすぎていないから」、「手書き書体」は「可愛らしいが読みやすい型の文字」「アナログで書いたような温かみがあるから」「温かみと愛嬌があり柔らかい印象を受けるから」という声が集まりました。個人の好みだけでなく、「誰でも読みやすい」など相手への配慮を意識している人がいることが見て取れます。

フォントに関する知識についても調査しました。フォントには、「MSゴシック/MS Pゴシック」や、「BIZ UDゴシック/BIZ UD Pゴシック」など、フォント名に「P」がついているものとそうでないものがあります。Pなしのフォントは等幅フォントで、かな・漢字は全角、英数は半角の等幅で表示されますが、P付のフォントは“プロポーショナルフォント”と言い、英数やかなの文字幅が文字の形によって異なります。この違いを知っているか聞いたところ、「知っている(3.6%)」と回答した人は1割にも満たない結果となりました。「なんとなく使い分けているが、違いはよく知らない(33.2%)」は約3割いました。フォント自体の存在を知っている人は一定数いるものの、フォントに関する専門的な知識は大多数の人が持っていないことがわかりました。

モリサワは、大阪・関西万博特設サイトにおいて、自分の好きなフォントや言葉でオリジナルのデジタルスタンプが作成できるサイト「フォント de スタンプ」を公開中です。本サイトで使用できるフォントの一部について、その名称がわかるか認知度を調査しました。回答は選択式ではなく記述形式であったため、フォントの正式名称を正確に答えられた人のみを正解者としたところ、正答率は全体的に低い結果となりました。中でも正解者が多かったフォントは「勘亭流」でしたが、正答率は3.6%でした。日常的に多くのフォントを目にしていても、自発的にフォント名を挙げられる人はごく一部に留まり、認知度の低さが浮き彫りとなりました。

また、ハンコやスタンプを作成したことがあるかも質問。印鑑・消しゴムハンコ・芋ハンコなどアナログのハンコを自身で制作したことがあるが調査したところ(既製品を購入した場合は除く)、29.6%で約3割いることがわかりました。一方、LINEスタンプやSNSで使用するものなどデジタル上のスタンプを作成したことがある人は、14.8%でした。デジタル上のスタンプを作成したことがある人は多くはない結果でした。ちなみに、モリサワの「フォント de スタンプ」では、誰でも簡単にデジタルスタンプを作成することができるとのことです。

モリサワは、「大阪・関西万博PRブロンズパートナー」として協賛し、オリジナルスタンプ作成サイト「フォント de スタンプ」を公開中。サイトでは、モリサワのフォントを使って、好きな名前や言葉を入力し、デジタルスタンプ(スタンプ形式のデジタル画像)を作成可能。電子印鑑をはじめ、SNSのアイコンや写真に加工したり、自身でLINEスタンプにしたり、推し活素材として活用したりするなど、自由にアレンジして利用することが可能です。スタンプのフレームデザインは合計9種類で、期間限定で大阪・関西万博モチーフのデザインも選択可能となっております。使えるフォントは12種類で、モリサワのフォントの中でも定番のフォントや人気のフォントを採用。自分の言葉で自分にぴったりのオリジナルのデジタルスタンプを作成でき、フォントを変えると言葉の印象が変わる楽しさを体験することができます。